アイリー動物病院 院内

アイリーな日々

マイクロチップ装着義務化について

マイクロチップを埋め込んだ犬

2022年6月に改正動物愛護法が適用開始してから1年半が経ちます。

改正の3つのポイント

① マイクロチップ装着と情報登録の義務付け
犬や猫の販売業者に対し、マイクロチップの装着と所有者情報の環境相への登録を義務付け
登録された犬猫を購入した飼い主には、情報変更の届け出を義務付け
既に飼っている人には、装着の努力義務を課す

② 動物虐待への罰則の強化

③ 出生後56日(8週)たっていない犬猫の販売を原則禁止

今回は、既に飼っている方へも努力義務が盛り込まれた「マイクロチップ」についてお伝えします。

突然の脱走逸走での迷子や大規模災害時、また、考え難いことですが少なからずあるペットの盗難…
そうした事態が起きた時にマイクロチップを装着していれば、自分の家族を世界中どこでも証明することができ、戻ってくる可能性が高くなります!!

マイクロチップとは

長さ8~12mm程度の円筒形の電子標識器具で、各チップには世界で唯一の15桁の数字(番号)が記録されており、この番号を専用のリーダー(読取器)で読み取ることができます。
動物の安全で確実な個体識別(身元証明)の方法として、世界中で広く使用されています。
一度体内に埋込むと、脱落したり、消失することはほとんどなく、データが書きかえられることもない為、確実な身元証明になります。

マイクロチップのメリット

飼い主と離ればなれになっても、マイクロチップの番号をリーダーで読み取り、データベースに登録された情報と照合することで、飼い主のもとに戻ってくる可能性が高くなります。
※リーダーは、全国の動物保護センターや保健所、動物病院などに配備されています。

マイクロチップを埋め込み専用リーダーで読み取ると登録された情報を確認できます

埋め込み方法

「国家資格を持った」獣医師か看護士が埋め込みを行います。
通常の注射針より、少し太い専用のインジェクター(チップ注入器)を使って、
肩甲骨間の皮膚皮下に注入します。過度な痛みや負担はありません。
費用は動物病院によって異なりますが、当院ではマイクロチップ挿入だけでご来院の場合、約5,500円~できます。

※当院では、避妊・去勢手術時に装着も同時にお奨めしておりますが、局所麻酔で入れることもでき、必ずしも全身麻酔をする必要はありませんので、既に不妊手術済みの方や、マイクロチップだけ希望される方も、お気軽にご相談下さい。

飼い主データの登録

改正動物愛護法施行後は、ショップやブリーダーから迎える場合は既にマイクロチップが装着されているので、環境省管轄のデータベースから所有者変更手続きを行ないます。
改正動物愛護法施行以前も、ペットの流通過程で既にマイクロチップを入れられて販売されているワンちゃんネコちゃんは多くいましたが、大抵の場合、その飼い主データの登録は購入者に任されていました。
しかし、その説明が不十分だったり、登録を忘れていて、いざ保護されて飼い主照会をしても結局「該当なし」となる事例がよくありました。それではマイクロチップ装着の意味がありません。
また、販売店独自のデータベースや、あまり聞いたことのない団体のデータベースに登録されているケースもあります。
しかし、動物病院等で保護されたり問い合わせがあった時に獣医師がデータ紹介するのは「動物ID普及推進会議(AIPO)」のデータベースです。
(環境省のデータベースにアクセスできるのは役場の方で、獣医師は環境省のデータベースに直接アクセスできない為)

その為、一番お勧めするのは環境省とAIPO両方のデータベースに登録しておくのが、最も早く見つかる可能性が高くなると思います。
もし、愛犬愛猫のマイクロチップがAIPOに登録されているか確認したければ、当院でお調べできます。
別のデータベースに登録されているのであれば、環境省やAIPOにも登録しておくことをお勧めします。
その場合は新たにマイクロチップを挿入するのでなく、既に入っているチップ番号を環境省やAIPOにも登録するだけです。

マイクロチップは、大切な家族と離れ離れになってしまった時に、飼主様とワンちゃんネコちゃんをつなぐ懸け橋になりますので、マイクロチップ未装着のワンちゃんネコちゃんを飼われている方は、ぜひ一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。

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